CGWorldクリエイティブカンファレンス2014 まとめ

2014/11/18 

近年恒例のCGWカンファへ行ってきた。
2年前の2012年にはじめていったきり、今回は2度目の参加。
会場は12:00からなので、11:45にはついていたと思う。
ところがすでに長蛇の列が・・・。年々参加者が増えているのだろうか。
質問者も学生さんが多かったな。首都圏のみならず無料でこれだけ有意義な
イベントはなかなかないので今後も参加者は増えていくのかな。
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参加セッション
13:00~14:00 Modeling Cafe Zbrushによるキャラクターコンセプト
14:30~15:30 北田栄二 現場で役立つプロダクションワークフロー モデリング編
 6:00~17:00 スタジオカラーとサイバーコネクトツー ガチンコ!アニメーション対決!!
17:30~18:30 城西国際大学 クリーチャー造形のための人体クロッキー
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Modeling Cafe Zbrushによるキャラクターコンセプト
1限目はこれ。modeling cafeの山家 遼 氏が登壇者。
https://pbs.twimg.com/media/B1zvTP_IYAEBoMX.jpg 

イエティをモチーフとしたハードサーフェスモデリングのメイキングを題材にワークフローを紹介。
メカのディティルやゴリラ、人体解剖図を参考に作りながら詳細なイメージを形作っていくやり方。 














①資料集め
Pureref/Pinterestを使用して資料を集めてまとめる。
http://www.pinterest.com/ 
http://www.pureref.com/
※DLページの金額入力を「0」にすると無償でDL可能。払いたければ払ってもOK。

②モデリング
Zbrushでモデリング。
1.デフォルトのベースモデルを使用
2.シルエットを整える Inflate/Snakehook ブラシ
3.大まかな塊を決める Damstanderd/Claybuildup ブラシ
4.面取り Lightbox内のBlush>Planar ブラシ
ディティルを作る手間を省くため、外部からZTL形式で使えそうなパーツをインポートして流用する。

山家さんがセッション内で言っていたビタリヴァルガロ?バットキング?・・・・。
調べてみたら出てきたのでリンク貼っときます。
http://vitalybulgarov.com/3d-kitbash/
http://www.badking.com.au/site/













5.SelectLassoパーツごとに切り分け→CloseHole/AutoGrupes
6.細かい筋彫りはレイヤーブラシで

③レンダリング Keyshotを使用してレンダリング
BGはドラッグ&ドロップでHDRI画像を追加でき、ライティングも調整可能。

④コンポ フォトショを使って要素ごとに出した素材をコンポ。
レイヤースタイルのベベルとエンボスを使って2D上で筋彫りを追加したりしていた。

この後ちょっと発表があって、、
ModelingCafe Vancouver 開設!代表は山家遼さん!!
ModelingCafe 福岡     開設!代表は北田栄二さん!!

すごいっすねー!どんどんでかくなります。アジア諸国も力をつけてきている昨今、
日本から世界へ飛び出して活躍する会社やアーティストさんが増えるのはうれしいことです。

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北田栄二 現場で役立つプロダクションワークフロー モデリング編
2限目はこれ。半分が北田さんの経験を元にモデラーとしての心得を説く内容。
後の半分はスペシャルゲストの帆足タケヒコさんと鈴木拓也さんを招いてのフリートークセッション。

ではでは早速内容のまとめ。

モデラーに求められる役割・・・制約の中で見栄えのするモデルを作ること(ニーズに応えるものを作る)

<モデリングの違い >
コンセプトモデル:クライアントにより明確にアーティストのコンセプトの意図を伝えるためのもの。
表面的に美しければデータの整理はそこまで重要ではない。

プロダクションモデル;コンセプトを元にリビルドされたモデルデータ。
コンセプトモデルをそのままプロダクションワークフローに使うことはない。
表面的な美しさだけでなく、内部的な美しさ(トポロジ、二重ポリゴンの有無、シェーディング、階層構造、テクスチャ等)も必要 。

ここで、田島光二さんのコンセプトアートが登場。(画像が見つかりませんでした。)

北田栄二さんが執筆中の本に登場するとのことで、内容のプロトタイプを見せてもらった。
(かなり細かくスクリーンショットが載せられている。しかし、ツールの使い方にはまったく触れていないため、ある程度ソフトの心得がある人のほうがより理解しやすいとのこと)
画像は、コンセプトを元に作られたモデルのもの。

コンセプトで省略されている情報・意図を読み解くことが大事。
(時代背景、作られている素材、手作りか大量生産品か等)
それを補うための資料を各部位でいくつか集める。

ワークフロー
①スケール感をあわせる。常に人間をベースにして考える。

②ラフモデル、全体のバランス・関節の位置などを決める。(この工程を重視し時間を使う)

③ディティールモデル レンダリングができる状態にする(トポロジ、二重ポリゴンの有無、
シェーディング、階層構造、テクスチャ等)

④モデルのオーガナイズとパブリッシュ
・不正ポリゴンなし
・命名規則
・グループ階層構造
・レンダリングの保証(ターンテーブルもしくは静止画)


フリートーク
※一部を抜粋しています。

Q.1資料はしっかり集めてから作りはじめるか否か

(帆)ほとんど何も集めない。
(北)今まで見たもので良いと思ったものを保存しておく。作業前にしっかり集めて進めるほう。
(鈴)かっこいいと思ったもの、「これ次使おう」を抑えといてストック。
デザインがかっちり決まっているものと違って、何も資料がない部分を自分で埋めていくには
経験や資料が必要。この部分で作業速度の差が出てくる。

Q.2仕事以外で勉強する際など、役に立った書籍はありますか

(帆)そもそも勉強だと思っていない。強烈に印象を受けたものは心に残っているはずなので、
そういうものから影響を受けています。
(北)好きなこと、好きなものをみる。
(鈴)独学よりも人から得るものが大きい。

Q.3モチベーションの維持はどうされていますか

(帆)淡々と作る。じゃないと給料払えないので。笑 
あとはいい仲間を持つことですかね。
(北)あまり周囲は気にしていない。基本的に内からくるモチベーションを大事にしている。
(鈴)「俺の知らないところでモデリング天下一武道会してんじゃねぇ!」ハイレベルな環境に
身をおくことで、まだまだ自分は伸びしろがあることを実感。

Q4.海外と日本の現場の差

(帆)海外と比べて日本はマネジメントが下手。海外ではマネジメント専門の人員が5~6人は
いて、朝の会議で誰がどこをどこまでやるかを話し合う。
(北)コーディネーター(進捗管理)がいる。上司が褒めて育てるスタンスなのは日本と違うと思う。
(鈴)ディレクター≒アーティスト≒他職種という力関係でお互いにリスペクトしあっている。
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と。。。。
しんどいのでここまでにします。笑
やはり、勉強だと思ってやっていない、楽しんで何事にも取り組めると
より一層上手くなるでしょうし、何より続くでしょうね。
その辺の意識の違いにもハッとさせられました。

以上ざっとですが2セッション分のまとめでした。
読んで頂いた方ありがとうございました。
ではまた。



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